implyとinferの使い方
implyとは、(実際に口に出さず)「ほのめかす」、「暗示する」という意味の動詞
inferとは、得られた情報に基づき何かを「推論する」、「推断する」という意味の動詞
implyとinferは、いずれも、明示的に言語化されていない情報が伝わることに関わる動詞です。
それぞれ例文を挙げて用法を確認してみましょう。
imply
間接的に何かを示唆することを表すのがimplyです。情報を放つ主体が主語となります。
- His frown implied that he is upset with the decision.
(彼の渋い顔は、彼が決定に不満を抱いていることを暗示していた。)
日本語の「顔に書いてある」と同様の意味合いで、英語にもIt’s written all over your face. という表現があります。しかしいずれの言語でも、「耳なし芳一」の経文のように、実際に顔面に文字が書かれているわけではありません。
Infer
間接的な手がかりに基づき「情報を受け取る」、「結論を導き出す」のがinferです。情報を読み取る主体が主語になり、しばしば、infer from~の形で用いられ、fromの後に手がかりとなった事象が置かれます。
- We inferred from his frown that he is upset with the decision.
(彼の渋い顔から、彼が決定に不満を抱いていることを私たちは推し量った。)
主体である「私たち」が、手がかりである「渋い顔」が示唆する情報=含意(implication)を読み取ったという表現です。
学術論文での imply と infer
学術論文、特にSTEM分野やフィールドワーク系の分野の論文では、実験や調査の結果に基づいて、それが何を示しているか、著者がその結果から何を導き出したかを記述する場面が少なくないでしょう。
そこで、学術的な文脈での正誤の用例を見てみましょう。
誤: Studies showed that the conversion was sensitive to viscosity, thus inferring that the largest barrier is substrate binding.
正:Studies showed that the conversion was sensitive to viscosity, implying that the largest barrier is substrate binding
(変換が粘度に敏感であることを諸研究が示しており、最大の障壁が基質結合であることが示唆されている。)
infer、つまり「推論する」のは研究者であって研究結果ではありません。研究結果が明示することが、結論を「示唆する(imply)」わけです。
誤:From these results, we imply that cycle 23 should be above average in size.
正:From these results, we infer that cycle 23 should be above average in size.
(これらの結果から、サイクル23のサイズが平均以上であると著者たちは推論する。)
著者たちが情報をほのめかしているわけではありません。著者たちは、結果に基づき結論を導き出す側なのです。
implyとinferのパラフレーズ
implyとinferを含む文は多くの場合、言い換えが可能です。
最初に挙げた2つの例、
・His frown implied that he is upset with the decision.
と
・ We inferred from his frown that he is upset with the decision.
は、ほぼ同じ内容を表します。
ただしimplyを使った文では、
・情報を発信する主体
・暗示される情報
・情報を受信する主体
のうち「情報を受信する主体」が、必ずしも明記されるわけではないことが分かります。例文で情報を受信する主体をあえて明らかにするとすれば、
- His frown implied to us that he is upset with the decision.
とでもする必要があるでしょう。
また、反対にinferを使った文は、上記三者のうち「情報を受信する主体」と「暗示される情報」のみでも成立します。
こうした違いや、主語に何を置きたいかによって両者を使分けるのがよいでしょう。