FewerとLessの違い

FewerとLessの基本的な違い

Fewer:数えられる名詞(加算名詞)の具体的な数を指す場合に使います。

Less:数えられない名詞(不可算名詞)の量や程度を指す場合に使います。

FewerとLessはいずれも数や量が「より少ない」ことを表す比較級ですが、後続の名詞、つまり数える対象によって使い分ける必要があります。基本では可算名詞にはless、不可算名詞にはfewer、と覚えておくのですが、例外的な使い方もあるので注意してください。なお、fewerもlessも何かを比較して「より少ない」という場合にはthanを用いるのは共通ですが、文脈で何より少ないか容易に推測できる場合はthan以下が省略されることもあります。

では二つの単語の微妙な違いについて概説していきます。

Fewer

Fewerはfewの比較級で、可算名詞の数が「より少ない」ことを表すときに使います。

The chef used fewer chocolate bars while making the cupcakes.
(シェフはカップケーキを作る際、少量のチョコレートバーを使いました。)

この場合、チョコレートバーの個数は数えられ、その数が「少ない」ことを示しています。

Less

Lessはlittleの比較級で、不可算名詞やグループの量や程度が「より少ない」ことを表すときに使います。

The chef used less chocolate while making the cupcakes.
(シェフはカップケーキを作る際、少量のチョコレートを使いました。)

この場合、チョコレートは数えられるバーの形ではなく砂糖などのように具体的に数えられません。日本語では同じ「少量の」となりますが、fewerではバーの個数が少ないのに対し、lessでは量が少ないことを示しています。つまり、続く名詞の形状によって数えられない場合や集合的なものに対してはlessを使います。

また、lessは形容詞や副詞の前に置いて、比較を表す副詞として用いることもできます。

Let us disregard issues that are of less importance for now.
(ひとまず、重要度の低い問題は置いておきましょう)

基本的には可算名詞と不可算名詞によって使い分けますが、不可算名詞に対しては必ずlessが用いられるのに対し、可算名詞に対してもlessが用いられることがあるので要注意です。逆に、不可算名詞であっても容器に入れるなどして数えられるようになった場合には、fewerを用いることができます。例えば、以下の例はどちらも「米」の量を減らす必要があると言っていますが、茶碗によそられた場合には数えられるようになるのでfewerが使えます。

  • We need to serve fewer bowls of rice.
    (茶碗の数が少ない)
  • We need to serve less rice.
    (米の量が少ない)

日本語には数詞がありますが、対象の名詞が可算名詞か不可算名詞かを区別することはないので、不可算名詞に使うlessの方が分かりにくいかもしれません。頻繁に使う名詞にはfewerかlessのどちらを使うか覚えておくと良いでしょう。

さらに混乱させるようですが、英語には基本的なルールに当てはまらない表現や例外的な使い方があるので、そうした使い方も覚えておく必要があります。

時間・金額・距離・重量を示す場合

時間・金額・距離・重量にはそれぞれ単位(分、円、メートル、グラムなど)がありますが、時間・金額・距離・重量は単なる数字ではなく「量」として捉えられるのでlessを使います。

  • He makes less than $1000 a month from his business.
    (彼は自分の事業で稼いでいるのは月1000ドル未満です)
  • I have less than three years left for my next promotion.
    (次の昇進の機会までに残された時間は3年未満です)
  • The new resort is located less than 5 miles from here.
    (新しいリゾートはここから5マイルより近い所にあります)
  • Most premature babies weigh less than 2.5 kg.
    (ほとんどの未熟児の体重は2.5キログラム未満です)

金額は、紙幣やコインを個々に数える場合でない限り不可算名詞として扱います。

「less than…」で「…より少ない」または「…未満」という意味で使っているケースではlessをfewerに置き換えても問題ないものもありますが、数字と共に用いる場合には、それが加算名詞であってもless thanを使います。加えておくと、「less than+数字」は数字を含まない「未満」ですが、数字を含めたい場合には「or less」を使います。

  • Most premature babies weigh less than 2.5 kg.
    (ほとんどの未熟児の体重は2.5キログラム未満です)
  • Most premature babies weigh 2.5 kg or less.
    (ほとんどの未熟児の体重は2.5キロ以下です)

パーセンテージ

パーセンテージ自体は値を表すものですが、fewerとlessのいずれを使うかは、何の値を示すかによって異なります。

  • Fewer than 5% of the farmers opted for the new agricultural policy.
    (新しい農業政策を選択した農家は5%未満でした)
  • The sample contains less than 20% water as compared to the standard.
    (このサンプルに含まれる水分量は、基準と比較すると20%未満です)

1つめの例文は農家の数の割合なので、数を数えることができるものとしてfewerを使います。2つめの例文の対象である水分は数えることができないのでlessを使います。

学術論文執筆におけるfewerとlessの使い分け

学術論文では、fewerやlessを用いて、対象物、特性、傾向、またはデータを比較することが多々あります。

基本的なルールに基づき、fewerとlessを使い分けるようにしましょう。

誤:The cells were less and smaller than those in the condylar cartilage.

正:The cells were fewer and smaller than those in the condylar cartilage.

細胞(cell)は非常に小さな生物の基本単位で、数えられるものなので、fewerを使用します。

誤:The difference was fewer significant for CR duration.

正:The difference was less significant for CR duration.

統計的有意性を比較することは可能ですが、統計的有意性を数えることはできません。そのため、この例文ではfewerではなくlessが正しい選択となります。

文章中にfewerやlessを使う際には、続く動詞の形にも注意してください。fewer は複数形の名詞に対して使うので動詞も複数形になり、less は不可算名詞や単数形の名詞に対して使うので動詞は単数形になります。文脈によって最適な表現を選択するとともに、それに合わせて動詞の形を変える必要があります。

fewer ofとless of

これらfewerとlessをofと一緒に使う場合について補足しておきます。

冠詞(a, an, the)、代名詞(this, that, him, her)、所有格(my, his, her, our)を修飾する場合にはfewerまたはlessの後ろに前置詞「of」が入ります。

  • Fewer of them will be getting that information from newspapers which arrive hours after the news has occurred.
    (ニュース発生から数時間後に届く新聞から情報を入手する人は少なくなっています)
  • It was funny to begin with, but as time went on, it became less of a joke.
    (最初は笑っていられましたが、時間が経つにつれ、冗談ではすまなくなってきました)

fewerとlessの基本的な違いがお分かりいただけたでしょうか。fewerとlessを使い分ける際は、それが示す名詞が可算名詞か不可算名詞か見極めることがポイントです。その上で例外的な使い方もあると覚えておく必要があります。似たような表現であっても微妙な意味や用法に違いがあるので、いろいろな表現を学んで実際に使ってみてください。

参考

 

科学論文・学術書籍専門の英文校正Enago(エナゴ)

Trinkaを開発したEnago(エナゴ)では、原著論文、総説、症例報告、臨床試験報告、レター、技術論文・技術文書、学会発表資料、学術書籍など、専門性の高い英文原稿に適する英文校正サービスを提供しています。M.D./Dr./Ph.D. 等の上級学位を持つ学術校正者が、一流の国際学術誌基準で論文を校正します。

おすすめ記事