IfとWhetherの違い
IfとWhetherの基本的な違い
If:条件を提示する(もし~なら)ときや日常的な文章でも使われます。
Whether:可能性や選択肢を提示する(~かどうか)ときやフォーマルな文章で使われます。
ifとwhetherはよく使われる英語の単語ですが、意味が似ているため誤用されることも少なくありません。ifとwhetherのいずれも使える場合もありますが、どちらかしか使えない場合もあり、違いをよく理解して使い分けないと混乱を招くことにもなりかねません。今回は、ifとwhetherの違いや使い分けについて概説します。
ifとwhetherの違い
【条件文のif】
まず、「もし~なら」という条件あるいは仮定を表す使い方から見ていきましょう。
ifが「もし~なら」という意味で使われる際には、何らかの条件が満たされたとき、その結果がどうなるか、何が起こるかという関係性を表します。ifで始まる条件文では、if節が副詞節として条件を示し、続く主節に結果が示されます。
- I will work from home today if it rains heavily.
(今日、雨が激しく降ったら、在宅勤務をします。) - We will increase the substrate concentration if we do not observe any change in the enzyme activity.
(酵素活性に変化が見られなければ、基質の濃度を上げます。)
この2つの例文では、ifが行動の条件となっています。Ifは「現実的な条件」の他、「仮想的な条件(仮定)」を示す際にも使えますが、仮定法では現在のことには過去形、過去のことには過去完了形を使うことに注意してください。
[仮定法の時制]
- 現在の仮定 → 過去形(例:If I were you, I would…)
- 過去の仮定 → 過去完了形(例:If I had known…)
【間接疑問文のif】
ifは「~かどうか」を示す間接疑問文としても使えます。この場合、if節は名詞節として機能し、動詞の目的語となります。この使い方はwhetherに置き換えられることが可能です。
I wonder if it will rain tomorrow.
(明日雨が降るかどうかを知りたいと思っています)
この例文の場合、雨だった場合(条件)に対する行動は示されません。副詞節で「もし~なら」を示す条件文と、名詞節で「~かどうか」を示す間接疑問文のそれぞれの使い方を覚えておいてください。
【whether】
では次に、whetherの使い方を見ていきます。whetherは「~かどうか」のような可能性や選択肢(二者択一)を表す接続詞です。Yes/noあるいは「AまたはB」という選択肢を示す際に使われます。
- I am yet to decide whether to work from home today.
(今日は在宅勤務にするかどうか、まだ決めていません。) - The key clinical question is whether all patients with resectable rectal cancer should receive preoperative radiotherapy.
(臨床上の重要な論点は、切除可能な直腸がんの患者全員に術前放射線療法を行うべきかどうかです。)
文によっては選択肢を示すwhetherがor notと組み合わせて使われることがありますが、or notは省略可能です。or notがあれば「〜であろうとなかろうと」というニュアンスをより明確にすることができます。
ifとwhetherの違い
「~かどうか」を表す間接疑問文ではifとwhetherのどちらを使っても意味が通じるものもありますが、微妙なニュアンスの違いが生じることがあります。
- We need to determine whether the stunted growth observed in these plants is due to deficiency of nitrogen or magnesium.
(これらの植物に見られる生育不良が、窒素の欠乏によるものか、それともマグネシウムの欠乏によるものかを特定する必要があります。) - We need to determine if the stunted growth observed in these plants is due to deficiency of nitrogen or magnesium.
(これらの植物に見られる生育不良が、窒素あるいはマグネシウムの欠乏によるものかを特定する必要があります。)
この2つの例文ではifとwhetherに互換性があることが示されています。原因として考えられる可能性が複数あることには変わりありませんが、それぞれの文の意味には違いがあります。whetherが使われる場合、検討されているのは窒素またはマグネシウムのいずれかの欠乏という2つの可能性を明示的に示唆しています。しかし、whetherをifに置き換えると、2つ以上の可能性を示唆することになります。この例の場合では、窒素またはマグネシウムのいずれかの欠乏、両方の欠乏、あるいはどちらの欠乏でもないという3つの可能性を示唆しています。つまり、whetherは二者択一を強く示す一方、ifはより多くの選択肢を示しています。このようにifとwhetherを置き換えられる場合でも意味に違いが生じることがあり、学術論文においてこの2つの単語の使い方を間違えると誤解を生みかねないので注意してください。
ifに置き換えられないwhetherの使い方
whetherの使い方にはifに置き換えられないものもあります。
whetherの二者択一の使い方としてor notと組みあわせた使い方を前述しました。「whether…or not」で「〜であろうとなかろうと」という意味になりますが、この場合はifに置き換えることはできません。
I will work from home whether it rains or not.
(雨が降ろうが降るまいが、在宅勤務にします。)
また、条件を述べるような場合でも前置詞の後ろにifは使えません。ifは前置詞の目的語にはなれないので、この場合はwhetherを使います。
I’m worried about whether it will rain tomorrow.
(明日、雨になるかどうか心配です。)
whetherは to 不定詞 と組み合わせて、「〜すべきかどうか」という意味でもよく使われますが、この場合はifではなくwhetherを使うのが一般的です。to不定詞の前に付き、目的語の役割を果たします。
whetherに置き換えられないifの使い方
上の例とは反対に、whetherに置き換えられないifの使い方もあります。
ひとつは、最初の例文で示した「もし~なら」という条件とその結果を示す条件文にはwhetherは使えません。
もうひとつ、以下に挙げるような条件文を使った慣用表現にはifしか使えません。
- if only~(もし~だったら)
- if any〜(もしあれば)
- if ever〜(あるとしても)
- if so 〜(そうだとしたら)
- if not 〜(そうでないとしたら)
- if necessary〜(必要なら)
- if possible〜(できれば、可能なら)
まとめ
ifとwhetherの違いがつかめたでしょうか。この2つの単語の使い分けを間違うと文法的なミスになるだけではなく、学術的な文章においては誤解される表現になってしまうので十分に注意してください。
- 「もし~なら」という条件と結果の関係性を表す条件文にはifを使う
- 「~かどうか」という可能性や二者択一の選択肢を表す文にはwhetherを使う
- 条件文ではifしか使えないが、間接疑問文ではifとwhetherが互換的に使える(ただし、ifは条件、whetherは二者択一とニュアンスに違いがあることに注意)
- 前置詞の後であればwhetherを使い、明示的な二者択一の選択肢を示す場合にはwhether…orを使う
- 慣用表現「if I were you」「if only」「what if」などでは「if」しか使わない
これらの判断の目安を覚えておくことで、ifとwhetherを適切に使い分けるようにしてください。